海の工事に強い! プレタスコン TYPE-AP2 × クロルフィックスのご紹介

こんにちは、川上産業です。
今回は弊社で取り扱っている「海」に特化したグラウト材と補修材のご紹介を致します。

海沿いの現場を担当されている工事業者様なら、一度はこんな悩みに直面したことがあるのではないでしょうか。

  • 護岸や桟橋の基礎に流し込んだモルタルが、波や海水で流れて分離してしまう
  • せっかく補修したコンクリートなのに、数年後にまた鉄筋が錆びて浮き上がってくる

海の工事には、陸上の一般的な工事とは違う「特有の壁」があります。今回は、その壁を越えるためにデンカ株式会社が開発した2つの製品、「プレタスコン TYPE-AP2」と「クロルフィックス」を詳しくご紹介します。

海の工事が難しい、2つの理由

  1. 水中で固める難しさ  水中や波のある場所にそのままモルタルを流し込むと、セメントの成分が水中に溶け出して分離してしまい、強度不足や品質のばらつきが起きやすくなります。
  2. 塩害による劣化の速さ  海からの潮風(飛来塩分)がコンクリートの内部にじわじわと染み込み、中の鉄筋を錆びさせます。錆びた鉄筋は体積が膨張するため、コンクリートを内側から押し割ってしまいます。海沿いの構造物ほど、この劣化の進行が早いのが特徴です。

この2つの課題に、それぞれ専用の製品で対応できます。


商品詳細① プレタスコン TYPE-AP2(水中不分離性グラウト材)

「プレタスコン TYPE-AP2」は、水中に流し込んでも材料が分離しない「水中不分離性」を持つ無収縮グラウト材です。従来品の「TYPE-AP」より粘性を抑え、練混ぜ性・施工性を高めながら、水中不分離性にも優れた製品として開発されています(デンカ特殊混和材 会員サイト カタログより)。

特徴(公式カタログより)

  • 水中不分離性に優れ、水中施工でも周囲への環境負荷を抑えられる
  • 流動性に優れ、低温時から高温時までほぼ一定の流動性が得られるため、冬季・夏季でも安定した施工ができる
  • 強度発現性に優れ、水中でも安定した強度が出る(水中で採取した供試体の強度は、気中で採取したものの82〜94%程度というデータがあります)
  • ブリーディング(水が浮き出る現象)が発生しない無収縮モルタルのため、既存コンクリートと一体化しやすい
  • 工場で厳しい品質管理のもとに製造されたプレミックスタイプのため、現場では水を加えて練り混ぜるだけで良好なモルタルが得られる

主なスペック

  • 荷姿:25kg袋
  • 使用温度範囲:5〜35℃
  • 標準的な使用水量:25kg袋あたり水5.8L前後(水量範囲はW/粉体=5.0〜6.6L/袋、現場条件に応じて試験練りで調整)
  • 流動性の目安(フロー値):200〜300mm

用途(公式カタログの記載)

  • 河川にある橋脚の耐震補強工事
  • 桟橋等の港湾工事
  • その他水中施工が必要なグラウト工事

施工方法の特徴(公式施工要領書より)  水中に打ち込む際は「トレミー工法」を用います。ホースの先端を水底まで挿入し、モルタルを押し出しながらホースをゆっくり引き上げていく打設方法です。高い位置から充填すると、水中不分離性のモルタルでも落下の衝撃で品質が損なわれる恐れがあるため、この施工方法が推奨されています。また型枠は、河川・港湾等での水中施工の際にグラウト材が水中へ流出しないよう、漏れのないよう確実にシールして組む必要があります。


商品詳細② クロルフィックス(塩素固定型 塩害対策断面修復材)

「クロルフィックス」は、海からの潮風(飛来塩分)などによってコンクリート内部に入り込んだ塩分を、鉄筋を錆びさせる前に無害化する塩害対策用の断面修復材です。海岸付近や積雪寒冷地など、塩分の供給が続く環境向けに開発されています(国土交通省九州地方整備局に掲載されたデンカ株式会社の技術資料より)。

仕組み(塩素固定のメカニズム)  クロルフィックス混和材がセメントの水和反応の中で結晶構造(ハイドロカルマイト)を作り、コンクリート内部の塩化物イオンを「フリーデル氏塩」という形で結晶の中に固定化・無害化します。同資料に掲載された鉄筋腐食促進試験(開始1年後)では、クロルフィックス無混和のコンクリートで腐食面積率18.6%だったのに対し、クロルフィックス混和のコンクリートでは腐食が確認されなかったという結果が示されています。

効果の目安(同資料より)

  • 塩化物イオンの拡散係数は、一般コンクリートの1/6〜1/7、一般的なポリマーセメントモルタル(PCM)の1/2程度
  • 塩分濃度が鉄筋腐食の危険水準(かぶり5cm位置で全塩化物イオン量1.2kg/m3)に達するまでの年数は、一般コンクリートの約7倍、一般PCMの約2倍という試算
  • 断面修復後の打ち換えサイクルを延ばせるため、ライフサイクルコスト(LCC)で約45%の削減が見込めるという試算

施工方法は現場に合わせて3種類(同資料より)

  • 左官工法(RISクロルフィックスエース):小規模・複雑な箇所向け。ハンドミキサーとコテで施工
  • 吹付け工法(クロルフィックスショット):中〜大規模・断面形状を問わない現場向け。モルタルポンプで長距離圧送(最大100m程度)が可能で、壁面で10cm程度の厚付け施工も可能
  • 充填工法(クロルフィックスGV):大規模・断面厚や大面積の現場向け

なお吹付け工法用の「クロルフィックスショット」は、公式製品カタログ(デンカ株式会社)によると、遮塩性(塩分を通しにくい性能)が普通コンクリートの1/4というデータもあり、NEXCOの構造物施工管理要領における吹付け工法の性能照査項目にも適合しています。

このクロルフィックス工法は、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されています(登録番号:KT-150080-A)。


こんな現場で活躍します

プレタスコン TYPE-AP2 が向いている場面

  • 河川にある橋脚の耐震補強工事
  • 桟橋など港湾の工事
  • その他、水を止められない・水中で充填せざるを得ないグラウト工事

クロルフィックス が向いている場面

  • 海岸付近で、飛来塩分による塩害劣化が進んでいる(またはこれから懸念される)コンクリート構造物の補修
  • 積雪寒冷地で、凍結防止剤の塩分供給によって劣化が進んでいる構造物の補修
  • 補修してもまた数年で傷んでしまい、打ち換えサイクルの短さに悩んでいる構造物

まとめ:海の工事に使う材料選びは、川上産業にご相談ください

  • これから水中・海沿いで新設工事をするなら → プレタスコン TYPE-AP2
  • 既存の護岸・橋梁・港湾施設の塩害が気になるなら → クロルフィックス

私たち川上産業は「その現場にどの材料が合うか」「どう使えば失敗しないか」という材料選定と技術提案でお力になります。海沿いの構造物は、造ったあとも塩害という宿命的な課題を抱え続けますので、新設時の材料選びの段階から、将来の補修まで見据えたご相談に対応いたします。

現場の状況やご予算に応じた最適な材料をご提案しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


参考文献

  1. デンカプレタスコンTYPE-AP2 カタログ(デンカ特殊混和材 会員サイト) https://denka-tokkon.jp/files/pdf/プレタスコンTYPE-AP2_カタログ.pdf
  2. デンカプレタスコンTYPE-AP2 施工要領書(デンカ特殊混和材 会員サイト) https://denka-tokkon.jp/pdf/デンカプレタスコンTYPE-AP2_施工要領書_2016.2.pdf
  3. クロルフィックスショット 製品カタログ(デンカ株式会社 公式サイト) https://www.denka.co.jp/pdf/product/detail/00171/kurorufikkususyoto151001.pdf
  4. RISクロルフィックスエース 製品ページ(デンカ株式会社 公式サイト) https://www.denka.co.jp/product/detail_00159/
  5. 塩害対策用断面修復材「デンカクロルフィックス」(NETIS:KT-150080-A) デンカ株式会社エラストマー・インフラソリューション部門 特殊混和材部 資料(国土交通省 九州地方整備局 掲載) https://www.qsr.mlit.go.jp/kyugi/site_files/file/241017kagoshima03-15

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